compoundを3分でわかるように解説

どうもminicooheiです。

本日のこの記事は、DeFiの代表格の双璧をなす「compound.finance」を紹介いたします。ずばりcompoundはDeFiにおける”銀行”です。 担保をいれることで、誰の許諾も必要とせず、かつ誰への信託もなしに、資金を貸したり、借りたりすることができます。もちろん通常の金融と同じように金利が発生しますから、金利収入を得ることも可能ですし、compoundとともにDeFiは広がってきたと言っても過言では有りません。

この記事では、compoundの仕組みとなぜ成立しているのか?、さらにその可能性について3分でわかるように説明します!

4行サマリ

  1. compoundでは、債権の流動性プールを作ることで、即時貸し出し、償還が可能(金利は預け入れた1秒後から発生)
  2. 流動性プールに資金を預け入れると、債権トークン(cToken)が発行され、貸し手と借り手の需給のバランスをベースに金利が決まり、金利分cTokenの交換レートが改善されることで金利を表現
  3. パーミッションレス、信託なしに利用可能。担保の75%程度しか借りられないが、いつまでに返してという期限も無い
  4. リスクは、コントラクトのバグと、担保リスク。貸し出しているときは何を担保に貸し出しているかを意識しよう

compoundは、金利プロトコル

compoundの概要を説明するうえで、革新的だったのは暗号資産/仮想通貨に「利子」という概念が持ち込まれたことですが、どのように金利の概念を持ち込んでいるのでしょうか?

compoundはEthreumのコントラクトは使ってるとはいえ、通常の金融のマネーマーケットと構造は変わりません。需要と供給の差、「貸し手」と「借り手」の金利の差を利用しています。

実際、compoundやAave以前のレンディングプロトコルでは、借り手や貸し手は、直接、取引相手を探さないといけませんでした。この課題を、流動性プールを作る(貸し手の債権と借り手の債権をトークン化して代替可能なものとして扱う)ことで解決したのがcompoundになります。

債権が、代替可能なものとして扱われたことで、十分な流動性がある限りにおいて、借り手、貸し手ともに直接、特定の誰かの債権が清算されるリスクやそもそも借りられないリスクということを意識しないでよくなりました。(もちろん担保金額が不足したら清算されますし、誰も借りなければ金利は発生しませんが)


そして、好きなタイミングでいつでも償還させることができるようになりましたし、預け入れた瞬間から金利を発生させることができるようになりました。これは利便性の上で非常に大きな進歩です。

金利について、都度振り込まれているのでは処理が馬鹿になりませんし、コールドウォレットで管理するときに都度移さねばならないとなると非常に手間です。compoundでは債権トークン(cToken)を発行することでこの課題を解決しています。

Compoundに資金を預け入れると、債権トークンのcTokenを受け取ります。 貸し借りの割合をベースに金利が決まります。その金利分、cTokenと原資産(担保に預け入れた資産)の交換レートが改善することで交換するときに金利を受け取ることができます。これをすることにより、cTokenの譲渡や、cTokenを安全な場所で管理しながら金利を受け取るなどといったことが可能になっています。

もちろん、cTokenは権利書のようなものなので、送信した場合は担保にした資産の権利も合わせて譲渡していることを忘れないでくださいね。

compoundを支えるアルゴリズム

このパートは少し3分で理解する上では説明が過剰かもしれませんが、使う上で認識しておいてほしいのが金利のアルゴリズムです。

基本的に、貸し手と借り手のバランスを用いてスマートコントラクトで定義されているモデルによって決まっています。(=Utilization Rate)言い換えれば、どの程度借りられているかによって、金利が決められています。

そして、流動性プールになんらかの変化がされると金利が再計算される仕様になっています。

そのため、APY200%と書いてあったとして、有利な条件であればそこを埋めるように人々は動きますので、記載されたAPYが1年間続くものではないという認識が必要です。(平均的なAPYはある程度信頼できるとは思いますが。。)

compoundのサイトより
https://compound.finance/docs#protocol-math
実際の例は以下のサイトから参照できます。
https://observablehq.com/@jflatow/compound-interest-rates

担保以上に借りれないのに、なんで借りるの?

まず信託なし/信用なしのcompoundでは担保の75%程度しか借りることができません。

「100万円持ってる人が75万円なんで借りるの??」と、通常のカードローンとか銀行とかそういうのを考えると、不思議に思うかもしれません。

「なぜ担保以上に借りられないのにcompoundから高い金利を払って借りるのか?」

その問いに答えていきたいと思います。

いろいろなシーンがありえますが、一つには、「利確はしたくないけど、新しく法定通貨を調達し、仮想通貨を購入するといったこと」があります。

ETHやBTCを売ることなく、法定通貨を借りることができるのは非常に便利で、仮想通貨が上がると考えている場合は、仮想通貨が上がれば返済することができます。そのため、多少手数料はかかったとしても借りてしまい、ETHを購入したり、Opitonを購入したり、はたまたETHを購入してさらに担保に充当して何階建てにもするということをしている方もいます。(土地を担保に、現金を借りて投資する会社とかとイメージは近いかもしれません。手数料より利率が高いものがあるならそこに借りる動機は発生しますよね)

他にも、ステーブルコインのアービトラージにも使われています。同じ1$のはずですが、USDCは貸し出し10%、DAIは借り金利8%といった状態があるとします、この場合、(カウンターパーティーリスク以外の)価格変動のリスクは非常に抑えた状態でアービトラージ(裁定取引)に使えますから、金利が収まるまで金利の収入で確定的に収益を得るすべとして利用されることがあります。

ただし、バラ色なわけではなく、原資産(担保としている金額)が担保割れすると、即清算されるので担保率は500%程度にするのがおすすめです。過去ETHは最高値、96%マイナスまで言ったことがあるためです。

また、次のブロックで説明しますが、Yield Farmingも借りたり、貸したりする理由の一つになっています。

compoundのガバナンストークンCOMPが開いたYield Farming

2020年はLiquidity Miningの年であると同時に、Yield Farmingの年でもありました。その流れを作ったのがcompoundでもあります。

compoundにおいて、貸し出し、借り出しいずれも支払った金利に応じてcompと呼ばれるガバナンストークンを配布したことにより、トークンを預け入れて債権トークンを作成しつつ、より借りたり貸したりするインセンティブを生み出すことに成功しました。

ガバナンストークンと呼ばれるものは、別の記事で説明していますが、DAOと呼ばれる分散型組織において、意思決定をする際に使われるものです。

本来はキャッシュフローがないため、価格はつけられないものでありますが、株式会社の株と似たような概念であり、compoundの場合、コラテラルファクターと呼ばれる担保率や、担保とするアセットのリスティングなど非常に重要な意思決定に置いて関わるもののため金額が高騰しました。(現在2021/1/23時点 1 comp = $200)

金利と合わせて、このcompのようなガバナンストークンがもらえるのがいわゆるYield Farmingです。(他にSushiSwapなどでも、Liquidty Miningに加えて、SushiTokenが配布されています)

基本的に、プロトコル側でやらせたい行動に対しての、インセンティブを促すことができ、プロトコルが使いやすくなることで、より多くのユーザーを集めて、結果さらにプロトコルが強くなるので、ガバナンスの経済的効果も上がるという良いサイクルを生み出している非常に良い例になります。

Compoundのリスクと非常に保守的な担保選定(&Collateral Factor/ReserveFactor)

とても便利なcompoundですが、もちろんリスクはあります。

一つはコントラクトに重大なバグがあるケースです。たくさんの目にさらされ、多くのコード監査を経ているとはいえ、バグが潜んでいる可能性はあります。どのようなバグが起きるかわからないため、確実に安全なものであるという認識は持たないようにしましょう。

また、もう一つが、担保資産に対するアタックです。フラッシュローンなどにより、特定の資産が無限発行などの攻撃をうけ、大量の流動性の低いゴミトークンの担保資産の預け入れにより、債権プールが枯渇するという事象が起きる可能性があります。(CREAMやBSCのVENUSで過去に発生)

この場合、本来は債権プールにおいて、即時償還可能ですが、ゴミトークンしかプールに残っておらず、正常に受け取ることができないという事象になることがあります。そうなると貸し手がこの損を負うことになります。

また、Utilization Rateがほぼ100%になることで、償還できなくなる可能性も留意しましょう。上記の例もそうですが、貸し借りが100%に近くなれば当然返すためのトークンが枯渇してしまうので即時償還ができなくなります。

こうした攻撃などを踏まえて、大事になる概念がCollateral Factorです。簡単に言えば、「何をどの程度担保にしてよいか?」ということです。(例えば、ETHは75%、USDCは75%、USDTは0%といったように定められています。)

当然、どんなものでも担保にしてしまうのは非常に危険ですので、(あなたも謎の通貨ペリカを担保に円は貸さないですよね?) 実際、「何が担保になっていることになって自分は貸しているのか」、そして「今後ガバナンスによって何が追加されようとしているのか」ということをcompoundなどのレンディングをを使うときは意識しましょう。
(*Creamは、その点非常にアグレッシブなので、リスクは高いです)

また万が一に備えてReserve Factorと呼ばれる保険が用意されており、一定の資金がプールされています。将来的にはこの資金を運用や配分などがCOMPのガバナンスでなるかもしれないなどといったことも考えれますね。

サマリ

リスクはありますが、正しく運用すれば、期限なしに金利を支払うことでパーミッションレスに即時に動かせる資金を利確なし、現物を売ることなしに利用できる仕組みです。 

tokenPocketからも利用できますので、ぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか?

compoundの使い方は以下の記事から!

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*特定のトークンやDeFiに対して投資を推奨するものではありません。投資は十分な情報収集の上、自己責任でお願いいたします。



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