MakerDAOとDAIを3分でわかるように解説!

@minicoohei です。この記事では、DeFiを支える暗号資産担保型のステーブルコイン(=価格が一定のコイン)であるDAIとMaker DAOについて説明していきます。Maker DAOについては日本の担当者が頑張っていて、この記事を読むよりも、公式サイトが日本語でも充実しているのでぜひ公式サイトも見てみましょう!(やさしいDeFiというコミュニティを主要のメンバーとして運営もされています)

https://makerdao.com/ja/
https://makerdao.com/ja/whitepaper/#%E6%A6%82%E8%A6%81
↑特にこっちのホワイトペーパーがとても詳細に書かれていて深い理解のためにはおすすめ!

5行サマリ

  • DAIとはEthereumなどの暗号資産を担保に発行された1$=1DAIでペッグされたステーブルコインのこと。価格の変動が非常に小さい。
  • 誰でも、一部厳しい基準を満たした暗号資産を担保に差し入れることで、誰でもDAIを発行することができる
  • ERC20として実装されているので、パーミッションレスに誰にでも送ることが可能。とっても便利。
  • DAIはDAIの価格<裏付け価格とならなければならず、そのためDAIの価値>担保となりそうな場合においては、自動的に清算される。
  • Maker と呼ばれるトークンの保有者により、「担保率」「SF(Stability Fees )」「担保の種類」などが決議され、実際にガバナンスされています。

Maker DAOとは?

DAOという言葉を聞いたことがありますでしょうか? Ethereumの文脈ではしばしば語られますが自律分散組織のことであり、簡単に言えば特定のミッション、またはプロジェクトを中心としたコミュニティのことを指します。

Maker DAOはそのDAOの一つであり、ガバナンストークンであるMKRを保有する人々によって管理されています.(MKRのホルダーが十分に分散されているかは人によって意見は異なるかもしれませんが)

DAI – 1DAI = 1$のステーブルコイン

そもそもステーブルコインってなんだと思われるかたがいるかもしれませんので簡単に説明すると、ステーブルコインとは、「特定の原資産と価格がペッグされたコイン」のことを指します。たとえば1円とペッグされたり、1$とペッグされたり、いろいろなペッグがありえます。(*USDCやUSDT、JPYCなどもステーブルコイン)

そして、今回紹介してるDAIは、1$=1DAIのレートを持つステーブルコインになります。

EthereumのDeFi上扱い際にボラティリティが高すぎとると交換レートや利子の計算などが難しくなるので、価値の尺度を図られれるときなどにステーブルコインが使われる事が多いです。まさに2020年の急速なDeFiの発展を支えたのはDAIといっても過言ではないかもしれません。

DAIの特徴 ー 暗号資産担保型ステーブルコイン

DAIがUSDCやUSDTなどのステーブルコインと大きく違うことがあります。それはETH(を始めとした暗号資産)を担保に発行されているステーブルコインであるということです。

USDCやUSDTは1$を供託し、その証明をもってして1USDCが発行されます。対してDAIではETHを担保にして、そのETHの価値を担保を元に発行されます。

当然、1$を預け入れて1USDCを発行するときよりは清算などのリスクがある一方で、事実上の(レンディングのような)レバレッジとして機能させることができます。(USDTについては触れない)

なお、DAIは、必ず一定の期間監査や攻撃を耐えてきた比較的安定している暗号資産の過剰担保を伴って発行されており裏付け資産があるので、DAIが焦げ付くということはコントラクトにバグが有るような致命的な場合を除いて基本的に起こりません。(ただもちろんコントラクトのバグがある可能性があることは留意しておきましょう)

また、分散型のプロトコルということもあり、万が一のために緊急時シャットダウンの機能があります。悪意あるガバナンス活動、ハッキング、セキュリティ侵害が起きたときなど、MKRホルダーによって決議されることになっているのもDAOとしての特徴といえるかもしれません。

緊急時シャットダウンについては以下より
https://makerdao.com/ja/whitepaper#%E7%B7%8A%E6%80%A5%E6%99%82%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3

DAIの発行について

ユーザーは、Makerプロトコル内にある「 Maker Vault」 に担保資産を預け入れることで、簡単にCDP(Collateral Debt Position)と呼ばれるポジションを持つことができ、Daiを生成することが可能です。

ひと昔前はETHのみしか担保にできなかったのですが、2021年現在、MCDには複数のトークンが追加されています。(なお、担保資産は、MKR保有者が投票で決定したものが採用されています 例:WBTC,UNI,WETH,etc..)

*ちなみに、シングルコラテラル時代に発行されたDAIは、現在SAIと呼ばれていて、すでに発行する事はできません。

<tokenPocketでのDAIの発行のしかた *執筆中>

Makerプロトコルは様々なウェブフロントエンドから呼ぶことが可能ですので、OASIS BorrowやInstaDappを始めとしたアプリケーションなどからMakerプロトコルを、通じて直接該当の資産をVaultsとしてさしだすことでDAIを発行することができます。

また、担保に差し出している資産を引きだしたいときは、compoundのようなレンディングプロトコルと同様、償還する前に、すべてのVaultsにおいて、 Stability Fee(手数料)* と共に自らが発行したDaiを返済する義務が発生します。

逆に担保から引き出ささない限り、担保資産割合が急激に悪化した場合以外などいつまでに返済しないといけないということはありません.このあたりも詳細については本家の日本語記事のほうが詳細に記述されているのでそちらを参照ください!

https://makerdao.com/ja/whitepaper#maker-vault

*Stability Feeとは、MakerProtocolを成立させるために、担保のリスクに対して徴収する手数料(DSRなどにも使用される)だと思っていただければ問題ないかと思います。

担保の清算について

DAIの価値が必ず担保によって裏付け/カバーされていることを実現するために、リスクが高すぎる(担保債務比率が低いなど)と判断されたMaker Vaultは、オークションを通じて自動で清算されます。(そのため、担保率には注意が必要です。)

ちなみに、清算時には、清算済みのVaultの担保を取得し、内部の市場ベースのオークションメカニズムを使用して売却します。オークション収益から受け取ったDaiは、特定のVaultの担保タイプに対して清算ペナルティの支払いなど、未払いのVaultの負債を賄うために使用されます。

清算の詳細はDaoにおける解説記事を参照
https://makerdao.com/ja/whitepaper/#maker%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%81%AE%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3


DAIを発行する意味はなにか?

最後に「なぜDAIを自ら発行する人がいるのか」ということに触れていきましょう。

uniswapでDAIと交換すればよいのでは? compoundでDAIを借りればよくないか?と思われるかもしれません。これはDAIを保有するという点では半分正解で、リスク管理という意味で半分は不正解です。

単純にUniswapでステーブルコイン(DAI)を購入してしまうともちろん原資産を整理しないといけません。利確による税金などの問題もありますし、そもそもロングポジションを取る人が多いので、そのためDAIを手に入れる上では障害になります。

compoundでは、基本的に十分な流動性があれば安全ではありますが、それでも資金プールの枯渇がなんらかのトークンのバグによって引き起こされる可能性はないわけではありませんし、需要と供給次第で金利が暴騰する可能性もあります。

反面、DAIをVaultsで発行すると、compoundで起こる可能性のある貸し手の資金プールの枯渇リスクによって償還できないといったことが起こる可能性はバグ以外おこりませんので、その分のカウンターーパーティーリスクを緩和できることになります。さらにStability Feeも変更はありますが、金利ほど変動するリスクは薄いです。

そのため、単純にDAIを自己の資産を担保に発行するというストラテジーは最もディフェンシブに担保資産の運用をすることができます。

ETHを担保にDAIを発行して、そのDAIでETHを購入して再びDAIを発行するといったいわゆるn階建の運用ももちろんすることが可能なので、ロングポジションをレバレッジすることもできます。


compoundでのステーブルコインの運用については以下より。

まとめ

ディフェンシブにETHなどの資産を運用したい場合、Makerプロトコル経由でDAIを発行することはcompoundなどでのレンディングに比べて、①カウンターパーティーリスクが比較的小さい ②金利の高騰などが置きづらい(SFの高騰はありえるが)という点で、採用してもおかしくないストラテジーになっています。

DSR(DAI Serving Rate)については、最も安定的な金利的な収入だとは思いますがレンディングの金利と比べると受け取れる金額が大きくないことは覚えておきましょう。(リスクの分だけリターンが上がるともいえる)

さらに、実は、当初からDAOとして誕生しているMakerは非常に古くから分散型組織を志向しており、MKRの緊急時シャットダウンや担保率の設定、担保資産への投票などガバナンスと呼ばれるものを他のDeFiより古い歴史を持っています。なのでMakerの歩んできた歴史を見ることで今後のDeFiがどのような道を歩むか予想できるかもしれませんよ!

Maker
https://blog.makerdao.com/ja/zerokarajyuoku/

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