NFTとDeFiはそれぞれ盛り上がっていますが、最近になってNFTとDeFiが交わるケースも増えてきました。NFTらしさを利用したものから、単純に記念品として配布するだけのものまで様々な事例をまとめて紹介していきます。
流動性提供やポジションを示すNFT|UniswapV3
UniswapV3では価格のレンジを定めて流動性提供を行います。V2では流動性提供をしている証明として、LPトークンが返ってきていましたが、V3では同じ金額だけ流動性提供をしても、価格のレンジによって全く意味合いが違ってきます。そこで、V3では流動性提供をすると、価格レンジを刻んだNFTが発行されます。どのペアにどのレンジで流動性提供をしているかをNFTとして示しています。
ガバナンスのためのveNFT|Solidity
イールドアグリゲーター「Yearn」創設者のAndreが開発した「Solidity」というAMMでは、SOLIDというトークンがあります。SOLODをロックするともらえるのがveNFTです。CurveにおけるCRVとveCRVの関係と似ています(Curveについてはこちらを参考にどうぞ)。このveNFTを取り合って熾烈な戦いが繰り広げられました。
保有していると手数料が減るNFT|dydx
dydxはパーペチュアルプロトコルです。こちらの記事でも紹介しているように、ウォレット接続で取引所に接続し、メジャーなトークンの無期限先物を取引することができます。
dydxにはhedgiesというハリネズミのPFP系NFTコレクションがあり、これを保有していると取引手数料を1ランク下げることができます。hedgiesはdydxで開催されているトレーディングバトルの景品にもなっています。
DeFiプロトコルのローンチ|Potion
DeFiは金融関連の規制に抵触しないようにローンチすることも重要です。
Potionでは、NFTにプロトコルローンチのためのパスワードが分散されており、ホルダーがアンロックして行くことでローンチされます。
これによって、DeFiプロトコルのローンチを集約的ではなくコミュニティ分散的にすることができます。
DeFi自身にNFTが関わっているわけではありませんが、面白い事例なので紹介しました。
NFT担保のローン|NFTFi・Pine
DeFiの醍醐味といえばレンディング。これまでのDeFiではトークン(FT)を担保にトークンを借りていましたが、NFTを担保にトークンを借りられるサービスが増えてきています。
NFTFiは2020年からあるサービスで、NFTを担保にトークンを貸し借りしたい人をマッチングするサービスです。トークンを貸す人は、担保になっているNFTをチェックして、貸し出すトークンと金利を指定してオファーを出したり、借り手の条件でトークンを貸し出したりします。
借り手はNFTを手放さずにトークンを入手でき、貸し手は高めの利率でトークンを運用することができます。
同様のNFT担保型レンディングサービスにはPineもあります。こちらは、マッチング型ではなく、貸し手が決まっているので即座にトークンを借りてくることができる点が大きな特徴です。
NFTの断片化・ERC-20化|fraction.art・NFTX・NFT20
NFTのプライシングや流動性の課題を解決するためのプロジェクトがこのジャンル。NFTをコントラクトにロックし、NFTを断片化(フラクション化)したNFTやERC-20に変換するサービスです。
これはDeFiではありませんが、Azukiはfraction.artでAzuki#40をフラクション化しガバナンスNFTとしました。DOGEのアイコンになっていたかぼすちゃんも有名ですね。
NFTXやNFT20はNFTをコントラクトに預けるとERC-20を受け取ることができ、反対に所定量のERC-20をコントラクトに送るとNFTを受け取ることができます。ERC-20であればUniswapなどで取引することができるため、NFTマーケットでのフロア価格との裁定機会が発生します。NFTの価格指標(インデックス)を作ったり、NFT担保ローンの清算への利用が考えれます。
初期利用者への配布|dopex・Ribbon・FujiDAO・ElementFi
DeFiには初期利用者へトークンを配布する文化があります。エアドロや給付金などと呼ばれていますね。最近はこれにNFTを利用するケースもでてきています。
オプションプロトコルのDopexやRibbon、レンディングプロトコルのFujiDAO、固定金利イールドプロトコルElementFiでは、初期の利用者に向けたNFTが配布されました。
特にElementFiは凝っていて、ElfverseというPFP系のコレクションになっています。
まとめ
DeFiプロジェクトのNFT利用事例をまとめました。
記念品として配るだけではなく、NFTの特性をうまく利用している事例もみられるようになってきています。今後はトークンではなくNFTでのエアドロのパターンも増えてきおそうですね!