DeFiのレンディングプロトコルといえばCompoundやAaveが有名です。今回紹介するEuler(オイラー)もそれらの仲間の一つです。
Compoundでは認められたアセットしか貸借することができませんが、オイラーは自由参加型のレンディングプロトコルとなっています。
レンディングをする目的の一つにショートポジションやレバレッジポジションをもつことが挙げられますが、オイラーではUIでそれらのポジションを簡単に構築できるようになっています。
それでは、詳しい使い方を紹介していきます。
Marketsの見方
Marketsでは、各アセットの価格や貸借の利率を確認することができます。
まず、アセットには3つの種類があります。
- Collateral:担保として利用可能なアセット
- Cross:担保としては利用できないが、ひとつのアカウントにつき複数種類借りることが可能なアセット。
- Isolated:担保として利用できず、ひとつのアカウントにつき1種類だけ借りることが可能なアセット。
オイラーでは、同じアドレス内に複数のサブアカウントを作成することができます。Isolatedのトークンを借りる場合には、ひとつのアカウントにつき1種類しか借りることができないため、サブアカウントをつくってください。
例えば、WETHを担保に入れて、CollateralであるUSDCとDAIを借りることはできますが、IsolatedであるLINKとUNIを借りるといったことはできません。担保と借りるトークンが1:1である必要があります。
サブアカウントの作成は、右上のアカウントマークにオーバーマウスするとでてくる上記画面の「CreateNew」をクリックします。
Isolatedはプールを独立させることで、他のプールへ悪影響がでることを防いでくれます。Isolatedのプールは流動性も低いので、基本的にはCollateralのアセットを利用する方が安全です。
次に、Oracle Ratingでは、Oracle攻撃のされやすさの評価が記載されています。Oracle攻撃とは、価格を意図的に釣り上げることで清算を引き起こして借り手の担保を一掃させたり、意図的に下げることで少額の担保で多量のトークンを借り逃げしたりすることです。
オイラーを使う場合には、基本的にはOracle RatingがAのものを利用すると良いです。
EulerでのDeposit / Withdraw
オイラーでの操作は、右上の「QuickAction」から行います。まずは担保を入れないと何もできないので「Deposit」から担保となるアセットを預けましょう。
ApproveをしてDepositをクリックするとMarket画面に切り替わり、上のようなトランザクションの見積もりがでてきます。「Send txs」をクリックして、トランザクションを通しましょう。
Dashboardから自分の状況を確認することができます。ちゃんと担保が入っていますね。まだ何も借りていないので、Borrowed関連の項目は0となっています。Health scoreは担保/借入の比率なので借り入れが0のため∞の表示となっています。
資産の引き出しは、借り入れがない場合にはWithdrawから引き出してください。借り入れがある場合には清算されないように気をつけて、十分な担保を残して引き出しをしてください。
Borrow / Repay
Borrowでは、担保に応じてトークンを借りることができます。借りる枚数は、SAFE MAX、LIQUIDATION、MAXとゲージがあるのでそれを参考にしながら借りるといいでしょう。基本的には価格変動を見越した上でSAFE MAXを超えないように、余裕を持った枚数を借りるようにします。
ここでは、SAFE MAXのさらに半分以下である1,000USDCを借りてみます。ちなみに、SAFE MAXでHealth Scoreは1.25、LIQUIDATIONで1.01です。
Borrowをクリックして、send txsをクリックするとMETAMASKがポップアップしてくるのでトランザクションを通してください。これでトークンを借りることができます。返済はRepayから行ってください。
Mint / Burn
Mintはレバレッジポジションを構築してくれる機能です。ここでは、預入1.326ETH状態から2ETH借りているポジションを構築してみます。
CompoundやAaveで自力でレバレッジポジションを組もうとすると、ETHを預け、USDCを借り、それをETHに変えてさらに預け…というように何回もトランザクションが必要です。
InstaDappでは、そういった貸し借りのトランザクションを組み合わせてひとまとめにしてくれますが、中身のトランザクションが増えるほどgas代はかかります。
一方オイラーでは、狙ったレバレッジになるように債権トークンであるdトークンと、預入トークンであるeトークンをMintします。そのため、レバレッジポジションを組むためのgas代が非常に安く済みます。
ダッシュボードで確認すると上のようになっています。2ETHを借りた状態になり、預入ETHも1.3ETHから3.3ETHに増えていますね。
Burnは、eトークンとdトークンをBurnしてレバレッジポジションを解消する機能です。MAXをクリックしてBurnすれば、レバレッジポジションを解消することができます。
Transfer
Transferではeトークンやdトークンを自分のサブアカウントに送付することができます。例えばサブアカウントのHealth Scoreが悪くなってきた場合に別のアカウントからeトークンを送ってScoreを上げることができます。
eトークン、dトークンの送付によってアカウントのHealth Scoreが変化しますのでご注意ください。
Swap
Swapでは担保にしているトークンを別のトークンに交換することができます。例えば、預け入れているETHをUSDCに換える場合には上のようになります。
もともとは預けているトークンも借りているトークンもETHなので、同じ値動きをするため清算リスクはありません。預けているトークンがUSDCになると、借りているETHが値上がりすることで清算されるリスクが発生します。
eトークンのSwapは、Swap後のポジションがどういう状態になるのかよく考えてから実行してください。
Short / Long
Short / LongはBorrowで借りたトークンを売却し、レバレッジポジションを構築してくれる機能です。
UIで何倍のレバレッジになるか表示されるのでわかりやすいですね。
eulerのまとめ
レンディングプロトコルのオイラーについて紹介しました。eトークンやdトークンを使い、レバレッジをかけた運用をすることができます。
清算に注意しつつ、うまく使っていきたいですね!