AMMとインパーマネントロス
UniswapのようなAMMにおいて、流動性提供を行った場合に価格変動がおきるとインパーマネントロス(IL)が発生します。これは単純にトークン価格が増減したことによる評価額の変化というわけではなく、流動性提供を行わずにそのままトークンを保有していた場合と比較した損失です。ILはプラスマイナス関係なく価格変動があれば必ず発生し、それを取引手数料で補えるかどうかがポイントとなってきます。
流動性提供とショートストラドル
ここで、オプション取引戦略においてショートストラドルというものがあります。権利行使価格が同じコール売りとプット売りの合成ポジションで、価格変動がなかった場合にはオプションの売却(プレミアムの受け取り)が利益となり、価格変動が大きくなるにつれて損失が拡大していくというものです。ILと近いですよね。
流動性提供をすると、そのポジションの証明としてLPトークンを受け取ります。GammaSwapでは、このLPトークンをショートストラドルポジションとして扱っていきます。
GammaSwapでのロングストラドル
ショートストラドルに対して、価格変動があるほど利益が得られるのがロングストラドルです。こちらはコール買いとプット買いを組み合わせます。
GammaSwapでは、LPトークンをショートストラドルとしているので、反対にLPトークンをショートすればロングストラドルに近いポジションとなります。
トークンのショートポジションは、そのトークンを借りて売却することで建てることができます。例えば1ETH=$1,000の時に1ETHを借りて売却すれば$1,000になります。これが1ETH=$900になった時に先ほど得た$1,000で1ETHを買って返済すれば手元には$100が残り、利益となります。
GammaSwapでは所定のトークン(ETHやUSDC)を担保にしてLPを借りることができます。つまり、LPトークンを借りてトークンを償還する(流動性提供していない状態にする)ことでロングストラドルのポジションを組むことができます。
GammaSwapを使ってみよう
それでは実際にテストネットで稼働しているGammaSwapを使ってみましょう!
テストネットへのアクセスは公式Discordで紹介されています。METAMASKでテストネットを追加して、Discordでgas代を貰います。テストトークンは、GammaSwapにコネクトした後、Faucetから請求することができます。
ショートストラドル(流動性提供)
GammaSwapでショートストラドルライクなポジションを構築するには、流動性提供をすればOKです。流動性提供されたトークンはUniswapに提供されます。
Marketから流動性提供をしたいプールを選びます。テストネットなのでAPYなどは全て仮の数字が入っています。
枚数を入力して流動性提供を行います。GammaSwapでは、流動性提供の証としてGSLPトークンが返されます。
これで流動性提供が行われた状態となり、ILを受けるポジションであるショートストラドルライクなポジションとなります。
BalanceメニューからGSLPのポジションを確認することができます。
ロングストラドル(GSLPのショート&償還)
ロングストラドルライクなポジションの構築は、GammaSwapに担保を預けてGSLPトークンを借り、流動性提供していない状態に償還することで行います。
まずはMarketから借りたいGSLPのプールを選び、「BorrowLiquidity」から上記の画面に移動します。借りたいGSLPの枚数及び担保に入れるトークンの枚数を設定し、トランザクションを通します。
トークンペアの比率を変えると価格変動と利益の曲線が変動します。上昇方向への変動に賭けるか、下降方向への変動に賭けるか、フラットに賭けるかで比率を変えましょう。
借りてきたGSLPは自動的にそれぞれのトークンに償還され、流動性提供をしていない状態(ILの影響を受けない状態)に戻ります。
ポジションは「Portfolio」から確認することができます。GSLPの返済もこちらから可能です。
AMMに流動性提供をすると、手数料収入が発生します。GSLPを借りている人は、この手数料収入も負担することになるので注意が必要です。
まとめ
ボラティリティトレードプロトコルであるGammaSwapについて紹介しました。
複雑な仕組みですが、AMMのLPトークンを使い、ショートストラドル・ロングストラドルライクなポジションを構築できます。
LPトークンの新しい可能性が見えてきますね!