PolygonからEthereumにトークンを戻そうとすると、PoSブリッジで数時間、Plasmaブリッジだと最大で7日間かかります。Uniswapが実装予定のOptimistic Rollupも7日間かかります。
これは不正がなかったかどうかを確認するための期間であり、セキュアな出金のために必要なものですが、実際使おうとするとまぁ不便なのは想像つくと思います。
そこで、出金を高速化するためのサービス「HopProtocol」が登場しました。
この記事では、HopProtocolの仕組みと使い方について紹介していきます。
HopProtocolの仕組み
HopProtocol(以下、Hop)では、hトークンと呼ばれる仲介トークンが存在します。

PolygonからUSDCをEthereumメインネットに引き出すとき、polygon側のUSDCはまずhUSDCと交換されます。この交換は、HopのAMM(AutomatedMarketMakerの略、Uniswapと同じ)を通じて行われます。
その後、hUSDCはHopのBridgeを通じてPolygon側のhUSDCがburnされ、同量のhUSDCがEthereum側で発行されます。
そして、Ethereum側のhUSDCとUSDCが交換されて、あなたのEthereumウォレットにUSDCが届くという仕組みです。
ここで、この仕組みを支えるために必要なのは、AMMを支える流動性と、チェーンを跨いでhUSDCを発行する時に一時的に資金を立て替えてくれる人です。(あなたがPolygonでUSDCをHopに預けてから、正規ルートでUSDCが着金する前にHopがUSDCを立て替えて、Ethereum側でUSDCを渡してくれているというイメージがわかりやすいと思います。)
流動性提供者、Bonderまで書き加えると、次のようなイメージになります。(わかりやすくするために、一部簡略化しています。)

AMMを支える流動性は、Uniswapなどと同様に、トークンペアをpoolして流動性提供を確保します。
立替をしてくれる人は、Bonderと呼びます。Bonderは立替をする代わりに小額の手数料をもらうことができます。
Polygon側、Ethererum側それぞれの流動性提供者、BonderによってHopが成り立っています。
HopProtocolの使い方
HopProtocolにアクセスします。
現在はUSDCしか対応していないので、まとめて送金したい場合には事前にUSDCに交換しておきましょう。

「SelectNetwork」から、送金元をPolygon、送金先をEthereum Mainnatに設定します。送金したい枚数を入力すると、送金のレビューが表示されます。
100USDC@Polygonから99.945USDC@Ethereumと減っているのは、AMMの手数料の影響です。また、TransactionFeeが発生するので、最終的にはそれが引かれた金額をEthererum側で受け取ることになります。
ApproveをしてSendのトランザクションを実行すれば、数分でEthererum側でUSDCを受け取ることができます。
まとめ
HopProtocolは、チェーンを跨いで高速で送金できるサービスです。
hトークンと呼ばれる仲介トークンと、AMM、Bonderによって支えられている仕組みとなっています。
急ぎで送金したい場合には、コントラクトバグや手数料などを考慮した上で検討してみてはいかがでしょうか。