LSDのサービスにデポジットすると、代替トークンを受け取ります(LST: Liquid Staking Token)。LSTとして手元に残ることで、それをさらに運用することができます。
LSDサービスが賑わってくると同時に、それを活用したエコシステムも増えてきました。ここでは、LSDが活用されている運用方法としてレンディングや流動性提供に加え、リステーキングについて紹介します。
本記事は技術やサービスの解説を目的としており、投資助言ではありません。
レンディング
aave
aaveはレンディングプロトコルです。ETHをaave預けてstETHを借りる。借りたstETHをETHに変えてさらに預ける。これを繰り返すことでレバレッジをかけていくことができます。
自分でやっていくと手間もgas代もかかるので、instadappを使うと便利です。
流動性提供
curve
curveではstETHとETHのペアで流動性提供をすることができます。ETHとstETHをswapした手数料の一部が入ってきます。
ETHとstETHの価格がペグしていればインパーマネントロスは軽微なのでいいのですが、デペグしてくると影響が大きくなるので、ペグしているかどうかはウォッチしておくことが重要です。
2023年7月31日にalETHなどのLSTペアのプールをターゲットとしたハッキングが発生しました。ハッキングリスクもあります。
convex
リスクは上乗せになりますが、curveで発行したLPをconvexに預けるという運用方法もあります。
ステーブルコイン発行
curve(crvUSD)
fraxfinanceが発行するsfrxETHやstETHをラップしたwstETHを担保としてステーブルコインcrvUSDを発行することができます。
発行したcrvUSDを流動性提供することによって、LSTを売却することなく追加の利回りを得ることができます。
Raft(R)
Raftも同様にstETHやrETHを担保にして、ステーブルコインRを発行することができます。3,000Rが最低発行量なので、試すにはハードルが高めです。
発行したRはBalancerに流動性提供をすることができます。
Lybra(eUSD)
LybraもstETHを担保にeUSDを発行することができます。発行したeUSDペアなどで流動性提供をするとesLBR(エスクロートークン)をリワードとして受け取ります。
esLBR は取引や譲渡はできませんが、議決権があり、プロトコルの収益を共有することができます。権利確定プロセスを通じてesLBRをLBRに変換できます。プロセスが開始されると、esLBR は 30 日間にわたって LBR に直線的に変換されます。
リステーキング
EigenLayer
リステーキングとは、LSTをさらに他のブロックチェーンやバリデータにステーキングすることです。ステーキング先の分散化やセキュリティ向上に貢献しながら、自身の利回りを向上させることが目的です。
EigenLayerはEthereumのセキュリティを利用してEigenLayer上に構築されるプロジェクトのセキュリティを向上させるためのプロジェクトです。ミドルウェア、サイドチェーン、ロールアップ、オラクル、ブリッジなどのプロジェクトに利用されることが想定されています。
EigenLayerにはstETH, cbETH, rETHをステーキングする他、ネイティブETHを32ETHステーキングして、リステーキングすることもできます。
まとめ
LSDを活用した運用方法を紹介しました。
Ethereumの分散化やセキュリティ向上に貢献しつつ、追加の利回りを得る選択肢が増えてきています。