Pendle|トークンと金利を分離し取引できるプロトコル

Pendleは、利回りのあるトークンの原資産と利回り部分を満期を定めて分離し、それぞれ取引できるようにしたプロトコルです。利回りはstETHなどのステーキングリワードだったり、流動性提供だったりします。

金利を分離して取引可能にすることで、ユーザーは利回りに関する投資戦略に様々な選択肢が生まれます。例えば、金利のロング、固定金利、利回りのつかない原資部分をディスカウントで購入などです。

この記事では、Pendleの仕組みやその用途について紹介していきます。

本記事は技術やサービスの解説を目的としており、投資助言ではありません。

Pendle概要

利回り分割
https://docs.pendle.finance/

Pendleでは利回りのあるトークンは、PT(Principal Token)とYT(Yield Token)に分割することができます。PTは利回り付きトークンの元本部分、YTが利回り部分になります。

ここで、利回り付きトークンとは、ETHをステーキングして受け取るstETHやstargateのへのUSDTの流動性提供などがあります。

PTメカニクス

PTとYTには満期が定められており、満期を迎えるとPTは元の利回り付きトークンと1:1で交換することができるようになり、YTは利回りを生み出さなくなります。

利回り付きトークンには、利回りの価値が内包されていますので、その部分がYTとして分離されたPTは元の利回り付きトークンよりも安くなります。満期に近づくにつれて元の価値に近づいていきます。

YTは利回り付きトークンの利回り部分です。これを保有していることで、元の利回り付きトークンが生み出す利回りを受け取ることができます。

次は、PTとYTに分離したことでどのような投資戦略が取れるようになるのかを説明していきます。

Pendleの用途

固定金利 (PTの購入)

例えば、USDTの利回りが3%のときに100USDTを預けると自動的にUSDTのPTにswapされます。swapで受け取るUSDTのPTは、利回りを考慮した割引価格で取引されるため、103枚となります。(実際にはスリッページなどが入る)

満期までPTを保有すれば、103USDTと交換できるため、固定金利3%でUSDTを預けたことになります。

PendleのフロントページはEarnとTradeがあり、固定金利での預入・引出しはEarnから可能です。

https://app.pendle.finance/earn/fixed-yield

固定金利の即時受け取り

Tradeモードを使うと、固定金利をすぐに受け取ることもできます。

Tradeモードでは利回りのあるトークンからPTとYTに分離することができます。上の図では100USDTから約100PTと約100YTをmintするところです。

mintしたYTはすぐにswapすることができます。上図では100YTを約3USDTにswapするところです。

100USDT→100UT + 100YT→100UT + 3USDT

このようになりました。

あとは満期まで待ち、100UTを100USDTに戻せば、合計で103USDTになります。このようにして固定金利分の利回りをすぐに手に入れることも可能です。

金利のロング(YTの購入)

YTは利回りを受け取る権利です。利回りが低くなっている時には、当然YTの価格も下がります。YTの利回りが上がる見込みがある場合には、YTを安く買って高い利回りを得るという戦略を取ることができます。

利回りが高くなったタイミングで売却してもいいですし、満期まで保有を続けることを選ぶこともできます。

YTの購入はTradeモードで行います。

https://app.pendle.finance/trade/markets

画面をスクロールすると利回りが変動した場合の損益を表にしてくれています。取引の際の参考にすることができます。

vePendle

PendleにはガバナンストークンであるPENDLEがあります。これをロックすることでvePENDLEを受け取ります。Curveなどと同様に、ロック期間が長いほど受け取るvePENDLEの枚数も増加します(最大2年)。

PendleはYTが生み出した全ての収益から3%の手数料を徴収しており、これがvePENDLE保有者に分配されます。

また、Poolに投票することで利回りをブーストすることができます。

まとめ

利回り付きトークンを原資産であるPTと利回りであるYTに分離するプロトコル「Pendle」を紹介しました。

PT、YTが取引可能であることから、固定金利や利回りのロングなどの投資戦略を取ることができます。

なにかしらのイベントがあって、金利が大きく変動した際にチェックしてみたいですね。

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