Ethereumではgas代が高いため、aaveやcompoundといったレンディングプロトコルでお金を借りて運用するのも一苦労です。ある程度まとまった金額でないと、gas代で運用益が簡単になくなってしまいます。
EthereumのサイドチェーンであるPolygonであれば、担保の乗り換えや清算されないための調整、2階建・3階建ポジションの構築などを超低コストで行うことができます。
この記事では、Polygonのaaveの使い方と運用戦略について紹介します。(投資的なアドバイスではありません。機能として取れる戦略を紹介するだけですので、実際の運用についてはご自身の判断にて行ってください。)
Polygonをまだ使ったことのない方は、まずはウォレットに運用のための資金を準備しましょう。やり方は、「Polygon(旧Matic)でDeFiを始めるやり方」を参考にしてください。
サマリ
- Polygonのaaveを使うと、貸し借りのリワードとしてMATICがもらえる。
- 同じトークンの貸し借りを繰り返すことでレバレッジをあげてリワードを集めることができる。
- 借りたトークンをさらに他のトークンと交換してレバレッジをかけた運用もできる。
- 清算されないように担保額には注意!
aaveとは?

aaveはトークンを預けて金利収入を得たり、トークンを担保に新にトークンを借りて運用したりできるレンディングプロトコルです。
同様のレンディングプロトコルとしては、compoundが代表的です。compoundについての説明は「Compoundを3分でわかるように解説」の記事を読んでみてください。aaveについての理解も深まるはず。
aaveはもともとEthereumで運用実績のあるプロトコルで、最近になってPolygonに対応しました。
aaveを使う前に把握しておくべきポイント
- 担保となるトークンを預けてトークンを借りる。
- リワードのMaticは貸し借りどちらにも付与される。
- 借りている金額が担保を上回らないように、所定の比率を下回ると自動で清算される。
aaveでは担保として使うことのできるトークン(ETHやMATIC、DAIやUSDC)を預けて、トークンを借りることができます。預けた金額よりも少ない額のトークンを借りる意味としては、借りたトークンでさらにトークンを買ってレバレッジをかけたり、Maticのリワードをもらったりすることにあります。
通常は預けてもらえる金利よりも借りて支払う金利の方が大きくなります。しかし、MATICがリワードとしてもらえることによって、お得になるんです。
レンディグプロトコル全般に言えることですが、aaveにも清算のリスクがあります。例えばETHを預けて、DAIを借りていたとします。ETHの価格がどんどん下がり、担保割れを起こしそうになると、それを防ぐために自動的に預けているETHが清算されます。担保の状況に気をつけながら運用するか、後で紹介する清算されにくい運用方法を選びましょう。
aaveの使い方
資産を預ける

上記リンクからaaveにアクセスし、「預入」メニューから、aaveに預けるトークンを選択します。
ここで、APYの欄の上側に表示されているのが、そのトークンを預けた時の金利収入です。ここでの金利は、支払いが約束されたものではなく、貸し借りのボリュームによって自動的に決まり、日々変動します。
下に小さい文字で記載されているのが、Polygon版aaveを使った際に支払われるMaticとしての見込み収益です。つまり、この図ではDAIを預けると「2.74%+6.73%=9.47%」が見込み収益となります。これは、Maticの価格や貸し借りのボリュームによってすぐに変わるので、参考程度として認識しておくと良いです。

預け入れる枚数を入力して、トランザクションを通せば預け入れ完了です。

「ダッシュボード」に行くと、Maticが預けられていることが確認できますね。
預金額(Approximate balance)が少しずつ増えていきます。この増えていくぶんが金利収入です。
そして、右上にはAvailable rewardとしてMATICの枚数が表示されています。claimを押すと、MATICを回収することができます。
トークンを借りる(Aave)
さて、いよいよ本題です。担保を預けたので、次はトークンを借りてみましょう。
借りるトークンは、運用方針によって変わります。この記事では、次の2パターンを紹介します。
- 借りたトークンをさらに交換して、レバレッジをかけて運用する。
- 担保にしているトークンと同じトークンをかり、さらに担保に入れ・・・を繰り返し、リワード狙いの運用する。
それではひとつずつ見ていきましょう。
担保にしたトークンの値上がり期待でレバレッジをかける
今回の例で言えば、MATICを担保にしており、MATICにレバレッジをかけて運用したいケースの一例を紹介します。
やること:MATICを預け、ステーブルコインを借り、借りたステーブルコインをMATICに交換する。

「借入」メニューで、DAIやUSDCといったステーブルコインを選びます。今回は、利率(APY)の高いDAIを借ります。

最大で209DAI借りることができますが、それでは少しMATICの価格が下がっただけで清算されてしまいます。今回は100DAI借りてみます。(MATICは価格変動大きいので、本来ならもっと安全な枚数を借ります。)
次は、借りたDAIをMATICに交換します。sushiswapを使ってみましょう。

DAIとMATICの交換ペアを選び、DAIをMATICに交換します。
上の図では、100DAI(借金)=約50MATICです。担保にしている200MATICと合わせて250MATIC運用していることになります。
元本200MATICで250MATIC運用しているわけですから、レバレッジがかかっていますね!
MATICが値上がりすれば、その一部をDAIに戻して借金を返済すればOKです。
担保と同じトークンを借りてリワードをもらう
aaveでは、預けているトークンに対して支払われる金利と借りているトークンに対して支払う金利、預金・借入に対して支払われるMATICリワードがあります。
つまり、この戦略での収益構造は次のようになります。
収益=預入金額×(預入リワード+預入金利)+借入金額×(借入リワード−借入金利)
お金をたくさん借りても、借入金利を他の部分でカバーできればプラスになるということです。
ここで、できるだけたくさんお金を借りるためには、清算を避けてギリギリを責める必要があります。
aaveやcompoundでは、預入トークンと同じトークンを借り入れることができます。こうすることによって、預入トークンの価値が半分になっても、借金の価値も半分になるので清算されずに運用することができます。
やり方は、先ほどと同じです。

価格変動による清算リスクが低いので、借入限度額の90%まで借りてみます。この時の担保は200MATICです。

借りた90MATICをさらに預入で担保に追加します。

元本は200MATICだったところ、預入金額が290MATIC、借入金額が90MATICになっています。
預入→借入を繰り返していくと、預入・借入の金額を増やしていくことができます。Ethereumでは、預入・借入の度に高いgas代が発生しますが、Polygonでは格安のgas代ですみます。
金額が増えれば、それだけもらえるMATICリワードが増えるということです。
このようにして、単純にMATICを預けるよりも多くのリターンを得ることができます。
まとめ
Polygon版aaveの使い方と、運用戦略を紹介しました。
Ethereumではできなかった、トランザクションをガンガン通しながらポジションを組んでいくのは、いかにもDeFiの醍醐味です!
さまざまな戦略を試してみてくださいね。
記事をご覧いただきありがとうございます。
DeFiPocketは、Dappsブラウザ & Ethereum ウォレットで国内市場シェアNo.1のtokenPocket社による、DeFi(Decentralized Finance)の解説メディアで
tokenPocketを利用して、DeFiで楽しく仮想通貨を使って遊ぶ体験を紹介していきまDeFi Pocketでは「日本で一番シンプルなDeFi」のサイトとして、各DeFiの使い方の紹介や、どんなシーンで使えるか、そしてどんなリスクを気をつけないといけないか、などを説明していきます。
tokenPocketは以下からダウンロード可能です。
iOS
https://apps.apple.com/jp/app/tokenpocket/id1288636393
Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.tokenpocket