RadiantはArbitrumとBSC上で稼働しているレンディングプロトコルです。 LayerZeroと提携しており、マルチチェーン展開をしています。ArbitrumでのTLVも増加してきており、存在感が増してきているプロトコルです。
Radiantの特徴としては、LPトークンをロックすることで貸し借りのインセンティブを強化することができる点です。プロトコル内でトークンの貸し借りを繰り返すことによるレバレッジポジションを組み合わせると、リスクも上がりますが高APRでの運用が可能となります。
この記事では、Radiantの特徴や使い方についてまとめていきます。本記事はプロトコルの紹介を目的としており、投資助言ではありません。
Radiant概要
Radiantの基本はレンディングプロトコルです。トークンを担保に入れて、清算されないようにトークンを借りることができます。対象となるトークンは、DAI, USDC, USDT, ETH, ARB, wstETHです。
APY欄には上下2つの数字が書かれています。上がベースAPY、下がdLPをロックしている時の最大APYです。dLPロック時のAPYはRadiantのトークンであるRDNTの価格で算出されたものです。ここで、dLPとはRDNT-ETHの流動性提供のことです。流動性をロックする仕組みを入れることで、エコシステムの安定を図っています。
Deposit
トークンのDepositをすることで、ベースAPYを獲得することができます。また、depositしたトークンを担保として、別のトークンを借りることもできます。
レンディングの状況はDashboardから確認することができます。
Borrow
担保に入れているトークンの評価額に応じて、トークンを借りることができます。この場合、借りるトークン建で利息が発生します。利率は、ベースAPYに記載されている数値です。
dLPロックによる追加の利回りは、トークンを借りる場合でも受け取ることができます。そのため、例えばUSDTを10%の利率で借りたとしてもRDNTの利率が15%であれば、差額の5%が実際の利回りとなります。
上図では、10.08%の利息を支払いながらETHを借り、11.29%相当のRDNTを受け取ることができます。ただし、RDNTの受け取りは後述するdLPのロックをしていないと有効化されないので注意が必要です。
1-Click loop & lock
トークンの貸し借りを繰り返すことで、ポジションにレバレッジをかけていくことができます。これによって利回りを高めることができます。同じトークンの貸し借りを行うので、価格変動による清算リスクは少ないですが、利息支払いによって担保額が減っていくので注意してください。
また、ベースAPYだけではDeposits<Borrowsなのでループによる利回り向上は成立しません。dLPロックによる追加利回りが必須となるため、ループ機能を使う場合にはdLPのロックが要求されます。
dLP
dLPのロックをしていない場合には、「EMISSIONS INACTIVE」を表示され、追加の利回りを得ることができません。追加利回りの条件は、depositしている金額の5%以上を維持しておくことです。
dLPのロックは、「Zap into dLP」から行うことができます。このZap機能は、ETHを支払うと、自動的にRDNT-ETHの流動性提供を行ってくれるというものです。ArbitrumはBalancer、BSCはPancakeswapが流動性提供先になります。
流動性提供のために支払うETHは、ウォレットから支払うほか、Borrowで借りてくることもできます。今回は$1000USDTをdepositしているので、0.1ETH = $186をロックすると、deposit金額の18.6%となり、条件である5%をクリアできることになります。
depositとは別に、dLP自体にも利回りが発生し、ロック期間が長くなるほど高くなります。また、6ヶ月と12ヶ月ロックは、Arbitrumのエアドロップ対象にもなります(2023年6月30日時点)。
条件確認後、「Zap into dLP」をクリックしてトランザクションを実行すれば完了です。
「EMISSIONS ACTIVE」になりましたね!
まとめ
ArbitrumでTVLが増加してきているレンディングプロトコル「Radiant」について紹介しました。
dLPをロックすることでdLP自体の利回りを向上させたり、貸し借りに追加の利回りがついたりします。ループ機能を使ってレバレッジをかけることで、さらに多くの追加利回りとしてRDNTを獲得することができます。
ループを使う際には、Health factorを監視して清算されないようにご注意ください。