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GMXとGLPについて簡単におさらい
分散型先物取引プロトコルGMXでは、流動性提供者が受け取るGLPというLPトークンがあります。GLPはGMXのインデックストークンであり、ETHやWBTC、USDCなどの複数のトークンで構成されています。GLPを持つことで、マーケットメイクやスワップ、レバレッジ取り引き手数料からの収益を受け取ることができます。
最近になって、このGLPを用いた運用をするプロトコルが登場してきており、TVLを急激に伸ばしています。
運用方法は「①GLPのレバレッジを行うタイプ」と「②デルタニュートラルを行うタイプ」の2つが主流です。デルタニュートラルとは、保有ポジションと同量をショートして価格変動(デルタ)をゼロ(ニュートラル)に近づけるもの。今回紹介するGMXはデルタニュートラルのタイプです。
RAGE TRADE概要
RageTrade(以下Rage)のメインは無期限先物プロトコルですが、JonesDAOのようにGLPを使った運用をすることができます。Rageでは「Delta Neutral Vault」という名称で運用先が用意されており、その中には「Risk-On Vault」と「Risk-Off Vault」の2種類があります。
今回は無期限先物は割愛し、DeltaNeutralVaultについて説明していきます。
Risk-On Vaultとは
Risk-On Vaultでは、GLPのETHとBTC価格に対してヘッジを行いながら、GLPの利回りを稼ぎます。ヘッジをするための原資は、Risk-Off Vaultから借りてくるUSDCです。GLPは複数のトークンからなるインデックストークンですから、ETHやBTCの比率も変動します。Risk-On Vaultでは12時間ごとにヘッジポジションをリバランスします。ヘッジポジションの構築には、BalancerのFlash Loanに加え、AaveとUniswapを使っています。
GLPの利回りはesGMXとETHです。Risk-on VaultではETHの報酬を再投資するとともに、esGMXをステーキングすることで利回りを高めています。
ヘッジポジションの構築にもコストがかかりますから、Risk-On Vaultのリターンは、GLP利回りとGMXトレーダー収益から(マイナスもある)ヘッジコストを引いた分が実際の利回りになります。
Risk-Off Vault
Risk-Off VaultはUSDCのレンディングVaultです。USDCを預け入れ、Aave経由でRisk-on Vaultに貸し出します。
Risk-Off VaultはAaveに預け入れるため、まずはその分の利回りを獲得します。これに加えて、Risk-On Vaultで借りられた金額に基づいてGLPからの報酬も配分してもらいます。
運用にはレバレッジがかっており、Risk-On Vaultに貸与された$1あたり$2.3のポジションとなります。
Risk-Off VaultのAPYの項目を確認すると、APYの内訳を確認することができます。
RageTradeのDeltaNeutralVaultの使い方
基本的な使い方は簡単です。USDCをApproveして、Deposit & Stakeするだけになります。
Delta Neutral Vaultには入金制限があります。キャップに到達している場合には空くのを待ちましょう。
入金が完了すると、ポジションのパフォーマンスもここで確認することができます。GLPのETHとBTC部分についてはヘッジしていますが、GMXのトレーダー収益支払いやヘッジコストによってマイナスになる場合もありますのでご注意ください。
出金はWithdrawのタブから行います。出金コストとしてはスリッページやGMXにおいてsGLPをUSDCに償還するコストが発生します。
Statsのページから、過去の収益性を確認することができます。Risk-On Vaultの収益性は上図のようになっており、デルタニュートラルといいつつプラスにもマイナスにも振れていることが確認できます。
Risk-Off Vaultの使い方
こちらも同様にUSDCをApproveして預け入れるだけです。キャップが100%に到達していなければ利用可能です。
ETH Yield Shareが、GLPによって発生したETHの利回りの分配率です。Risk-On Vaultと分配し、USDCのUtilization Ratio(Risk-Offに預けられているUSDCのうち、Risk-Onに借りられている比率)によって増減します。
Risk-Off VaultではUSDCを預けているだけなので、引き出し時の手数料はありません。
Risk-Offの過去の収益は、上図の通りです。Aaveでの利回りよりも、Risk-On Vaultへ貸し出したことによる利回りの方が多いことがわかります。
まとめ
GLPのデルタニュートラル運用を行う「RageTrade」について紹介しました。
JonesDAOではプロトコル内のUSDC Vaultから借りてきたUSDCを使って、GLPにレバレッジをかけていましたが、Rageではデルタニュートラル戦略をとっています。
GLPを使ったイールドアグリゲーターが増えてきています。違いを理解した上で使っていくことが必要ですね。