Resonate|金利前払いプロトコル

DeFiのイールドファーミングでは、トークンをステーク・ロックした期間に応じて金利収入が得られます。Resonateはトークンをロックすることで金利を先に受け取ることのできる金利前払いプロトコルです。NFTを使って金利受け取り権利と元本返還権利を分離している点がおもしろいです。

https://app.resonate.finance/

Resonate概要

Resonateでは、ロックしたトークンが将来的に受け取れる金利部分と元本となるトークン部分を分離し、その金利部分を売却することで、即座に金利収入を得ることができます。金利部分の売却は割引価格となっており、将来の金利を安く買いたいユーザー、プロトコル、DAOなどが購入します。

分離された金利部分とロックされた元本部分はそれぞれNFTとして発行されます。金利を受け取る権利のNFTと、ロック期間後に元本を返還してもらう権利のNFTです。ResonateではFinancial-NFT=FNFTと呼ばれています。

DeFiでよくあるのは、プロトコルのトークンやそれを含めたLPをステーキングすることによってプロトコルのトークンが得られるというもの。このケースでは、ファーミングされるほど売り圧となってしまいます。

そこでユーザーにResonateを使ってもらうことで、ユーザー側はファーミングで得られる将来的な金利をUSDCやETHなどで先に受け取ることができ、プロトコル側は売り圧を抑制することもできます。

Resonateでのこれらのやり取りは、ロック期間やペイアウトトークンなどの設定をしてプールを作成し、ピアツーピアで行われます。

それでは、実際に金利の前払いを受け取るまでの流れを見ていきましょう。

Resonateの使い方

Instant Yield

Resonateではプールを選んで取引をすることができますが、一番簡単なのはQuickDepositです。

https://app.resonate.finance/quick-deposit

右上でチェーンを選んだ後、ロックしたいトークンを「On Token」のリストから選択します。

「Find」をクリックすると、条件にマッチするプールが表示されます。

  • Pool:プールの名前
  • Vault:運用先
  • InstantPayout:即時出金される利率
  • I’m locking:ロックするトークン枚数を指定、期間が表示
  • I’m receiving:即時出金で受け取るトークン

上の図では、10SUSHIを1年間ロックすることで0.5SUSHIを受けとれるということになります。プールによって受け取りのトークンは異なります。例えばsteCRVのプールではUSDC受け取りに指定されています。これはプール作成者の設定です。

トランザクションを実行すると、FNFTと即時出金の0.5SUSHI(手数料が引かれて0.475SUSHI)を受け取ります。FNFTはResonateの「My wallet」メニューから確認することができます。

ロックしたSUSHIがアンロックされる日時が刻まれています。

Boosted Yield

Resonateでは、金利の前払いを受けるユーザーへ支払うためのトークンを提供する代わりに、ロック期間後に高い利回りを受け取る「Boosted Yield」という仕組みがあります。

先払いでトークンを受け取るユーザーはすぐに受け取れる代わりに、利回りは低くなります。そこで浮いた分の利回りをトークン提供者に回すシステムになります。

先ほどと同じように、QuickDepositから行うことができます。BoostedYieldを使う場合には、提供するトークンを「I’m paying upfront in」で指定します。Findをクリックすると条件に合致するプールが選択されます。

提供するトークンを指定してトランザクションを実行します。これで高い利回りが確定するわけではなく、先払いトークンとして使ってもらうためのキューに並んだ状態になります。要は順番待ちです。

個別プールを確認すると、+マークの右側に順番待ちの列ができているのを確認することができます。InstantYeildで支払いに使われると、ここの順番が進んでいくという仕組みになっています。

引き出しやポジションの確認は「MyWallet」の「MyPositions」から行います。

このように、先払いを希望する人が手放した将来の利回りが原資となって、先払いのためのトークンを提供してもらうという仕組みになっています。

まとめ

利回り先払いプロトコルの「Resonate」について紹介しました。

トークンの利回りを受け取る権利や元本を返還してもらう権利がNFTになっていたり、先払いのためのトークンを提供してもらうための仕組みが特徴的なプロトコルです。

ピアツーピアということもあり、相手が見つからないプールも多いですが、気になった方は一度覗いてみてください。

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