RibbonFinance(以下、Ribbon)は、ETHやUSDC、WBTCを預けることで自動的にオプション取引を利用した運用をしてくれるサービスです。
この記事では、オプション取引について詳しくない人でもわかるように、Ribbonのとっている戦略を踏まえて、使い方を説明します。
投資助言ではない点、監査を受けているものの、コントラクトバグ・ハッキングリスクがある点にはご留意ください。
RibbonFinanceとオプション取引概要

RibbonではOpynというオプションを取り扱うDeFiを利用して、ユーザーが預けた暗号資産を自動で運用してくれます。オプション取引に伴うプレミアムがRibbonの利率の源泉となっています。
さて、Ribbonの説明に入る前に、オプション取引ってなかなか馴染みがないと思います。そこで、まずはオプション取引の概要から説明していきます。
オプション取引とは、決められた日(満期日)に決められた金額(ストライクプライス)で金融商品を買い付ける、売りつける権利を取引することです。
オプションにはプットとコールの2種類があります。わかりやすいように、ETHのプット・コールで考えていきましょう。
- プットオプション
- 買う側:ETHの価格が下がった時に、約束した値段で買い取ってもらうことにより、それ以上の損失を防ぐ。プットオプションを買うコスト(プレミアム)を支払う。約束した値段より下がらなければ権利放棄。
- 売る側:プレミアムを受け取る。ETHの価格が約束した値段より下がっても、約束した値段(=その時の相場よりも高い値段)で買い取らなければいけない。
- コールオプション
- 買う側:ETHの価格が上がったときに、約束した値段でETHを売ってもらうことができる。急騰しても約束した値段で買えるからお得になる代わりに、コールオプションを買うコスト(プレミアム)を支払う。約束した値段より上がらなければ権利放棄。
- 売る側:プレミアムを受け取る。ETHの価格が高くなっても、約束した値段で売らないといけない。
RibbonFinanceの戦略(基本編)
次に、Ribbonではこれらのオプションを使って、以下の戦略をとっています。理解するためのポイントは、ストライクプライスを超えた時、超えなかった時で現物をそのまま持っていた時と比べて損か得かを考えることです。(実際にはプレミアム価格がからみますが、わかりやすさのために割愛します。)
- カバードコール
- RibbonにはETHやWBTCを預ける。
- 現物を保有しながら、コールオプションを売る戦略。
- ストライクプライス以下では、現物の値動きの影響を受けつつ、コールオプションを売ったプレミアムをもらう。
- ストライクプライスを超えると、ストライクプライスで売らなければいけないため、それ以上の値上がり益を享受できない。プレミアムはもらえる。
- プットセリング(プット売り)
- RibbonにはUSDCを預ける。
- USDCを保有して、プットオプションを売る戦略。
- ストライクプライス以下では権利行使される。市場価格よりも高い値段でETHを買わなければいけないため損する。
- ストライクプライスを上回っていると、権利は行使されず、プレミアム分の収益が得られる。
先述したようにRibbonではオプションの発行にOpynを使っており、権利行使はOpynに対して行われます。通常、自分でOpynを使ってオプションを発行して取引しなければいけないところ、Ribbonが自動化してくれているというわけです。それを含めて図で表すと次のようになります。


RibbonFinanceの戦略(応用編)

RibbonFinanceでは、基本編でお伝えしたカバードコール・プットセリングに加えて、DeFiの運用プロトコルである「Yearn」を利用してさらに収益性を高めた戦略も存在しています。
先程のプットセリング戦略では、Ribbonに預けたUSDCを直接Opynに預けてオプションを発行していましたが、ここではさらにYearnを間に挟みます。
RibbonからYearnにUSDCを預けると、預けている証明として債券トークンであるyvUSDCを受け取ります。Yearnに預けられたUSDCは、CompoundやCurveなどの運用先で金利を稼いできてyvUSDC保有者に収益をもたらします。
次に、OpynではyvUSDCを担保としてプットオプションを発行します。ここから先は基本戦略と同じで、プットオプションを売却してプレミアムによる収益を上げます。
この二重の金利構造により、単純なプットセリングよりも高い利率となります。(複雑にしている分、YearnやYearn経由の運用先でのリスクも入ってきます。)
RibbonFinanceの使い方

Ribbonの使い方は至ってシンプルです。運用先を選んで、該当するトークンを預け入れるだけ。
直近の利率が記載されていますので、目安にしてください。利率が保証されているものでは一切ないです。
RibbonはOpynで発行したオプションを買ってくれる人がいないと成立しないので、預け入れ金額に制限がかかっています。Max Capacityに到達している預け先は使うことができません。

トークンの預け入れは、それぞれの戦略ページの「DEPOSIT」からおこないます。トークンを預けると、預け証としてのトークンが返されます。
過去にはそのトークンを使って、RibbonのトークンであるRBNをマイニングできましたが、7月19日で終了しています。

PORTFOLIOタブからは、運用成績や預け入れなどの履歴を確認することができます。かなり見やすいです。
まとめ
オプションを使った自動運用サービスであるRibbonFinanceについてまとめました。オプションに慣れていないと、どんな運用がされているのかわからないと思います。
この機会にオプションに対する理解を深めてみてはいかがでしょうか?
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